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夜の茶会にパウンドケーキ …夜の茶会…
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夜の茶会にパウンドケーキ
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パウンドケーキを食べ終わって、ウバも飲み終わった。二人でぼんやりと午後のゆっくりとした時間を味わって、夕方に近くなった頃、ウバの2回目でミルクティを淹れた。

1回目をミルクティにしても良いのだが、せっかくストレートでも美味しい茶葉なのだ。ストレートで楽しまない手は無いだろう。それに、2回目の物をのんびりと煮出すのも嫌いではない。

ストレートで淹れるときの半分ほどのお湯でぐつぐつと茶葉を煮込み、いつもよりもずっと濃い色をした紅茶を作る。それを茶漉しで漉したものを、暖めたミルクでゆっくりと延ばす。お湯よりも多いくらいのミルクで延ばしたら、ロイヤルミルクティの完成だ。

咲音が忙しい朝にミルクティを入れるときは、通常の半量のお湯で普通に紅茶を淹れ、それにホットミルクを足してミルクティを作ってしまう。時間があるときはミルクで茶葉を煮出すという、時間がかかるロイヤルミルクティを作る。

今回の入れ方は光流のやり方だった。咲音は、先ほど紅茶を淹れて貰ったから今回は自分が淹れようとキッチンに立ったのだが、何故だか(?)…「俺がやる」と、光流が仕事を取ってしまったのである。

「ねぇ、今日はどうしたの」

飲み終わったミルクティのカップをローテーブルに置きながら、咲音はからかうように光流を見た。いつの間にか光流が絡めてきていた手を引いて、そっぽを向いてしまう光流を振り向かせる。

「光流」

「……」

「…ミルクティの味がする」

「てめぇのもだよ」

振り向かせた光流にキスをした咲音が、ぽつりと零した言葉に、速攻でつっこみが入る。

「ミルクティ味のキスか…悪くないね」

「今度はレモンティにするか?」

また唇を寄せてくる咲音に応えるように顔を傾けながら、軽口を返す。啄まれたキスは、僅かな角度を見つけて深く舌を探して、絡め取ると濃厚に味わい始める。咲音とのキスが光流は好きだった。職業柄、お客とキスすることもある。でも、咲音とのキスは格別だった。気持ちよくて、つい夢中になってしまう。

唇が触れて合わさるだけで、ふっと肌が震えるのが分かる。舌先が掠めると、ぞくりと下半身から熱がわき上がってきて、ディープキスが続けばそれだけで勃ってしまう。

すげぇ、くらくらする…。

間近にある咲音の顔を見ながら、何時も思う。

背中へ腕回し腰を抱いてくる咲音に、手を首に絡めると自ら引き寄せて、角度を変えながら何度も甘さを交換する。久しぶりだった、こんなに長くキスを味わうのは。お互いの生活時間の食い違いもさることながら、咲音が手を伸ばしてこない限り、滅多なことでは触れ合わないからだ。

もっと、咲音に歩み寄るべきなのかもしれない…。

回した手を髪の毛の中に潜らせ、くしゃりと柔らかく混ぜる。それに応じるようにして、咲音の腕が服の中へと滑り込んできた。その部分から、じわりと波紋が拡がっていく。

「咲音…」

息継ぎの間に僅かに顔を上げて囁く。何だかとても、したい気分だった。

「今日は本当、どうしたの…珍しいね」

「いっ、いいだろ、ンなことどうでも」

全てを見透かされたようで、光流は慌てて誤魔化すために咲音の服に手を掛けた。

「どうでも良くないけど…まぁ、光流が脱がせてくれるっていうなら、誤魔化されてあげるよ」

「……てめぇ、可愛くねぇぞ」

「可愛いのは光流だけで充分だよ」

「俺は可愛くねぇ」

「可愛いよ…ほら、こんな赤くなっちゃって」

言われて、耳まで赤くなっていることを自覚する。ちくしょぅ…呟いて、咲音の首もとに顔を埋めた。そうすれば、咲音が優しく抱きしめてくれると、知っているから。



「……っぁ…咲音…」

「動かないで…傷ついちゃう」

「んなこと、言われても…っ」

何でこんなことになったのか、光流は混濁する頭で考える。最初は確かに、自分から咲音を誘ったのだ。珍しく…いや、初めてかも知れなかった。言葉では言わなかったけれども、身体を寄せて、腰を押しつけて…半ば無意識のうちだったのだ。咲音に、触れたくて。

だからといって、ベッドの上に座る咲音を跨ぐようにして、乗るなどと言う体勢に、進んでなったわけでは、決して無いはずなのだ。何がどうなって、この体勢になってしまったのか、よく分からない。それよりも今は、跨いだ状態で身体を保っているのが大変だった。

何しろ、光流を抱くようにしている咲音の手が、腰に回り…内部を指で溶いているのだ。脇には、使ったであろう潤滑剤のチューブが転がっている。咲音はどこかに薬入りのローションやジェルも隠し持っているはずなのだが、今回のはごく普通に薬局で買えるようなものだ。……もっとも、そのことを確かめる余裕は、光流にない。

「ん…はぁ…ぁ……も、もういいだろっ、咲音…!」

「ふふ…待てないの?」

「ちっ、違…!」

まるで懇願するような口調で、光流が喘ぐ。腕を咲音の肩に回してバランスを取ろうとするが、なかなか難しい。顔を見られたくなくて、先ほどからずっと肩へ顔を埋めてしまっているから、咲音の表情は分からない…だが、絶対意地の悪い顔をしているような気がした。

「ちゃんとやっておかないと、痛いのくらい、分かってるでしょぅ」

「そ、だけど…んん…! だ、から…そこばっか…やん、な」

咲音の指が、狙うようにして前立腺を触らなければ、光流だってこんなにも煽られずに済むのだ。なのに、いつものように決まって、咲音は意地の悪いことをする。

「痛いの、何時も嫌がるでしょ」

そうかもしれなくても…今はそれよりも、咲音が欲しい気持ちが強かった。でも、それをどうしたら伝えられるのかが分からない。普段は、求められるのに応えるのが忙しく、そこまで気が回らない。それに、求めたいと思っても、なかなか実行に移すことが出来ないで居た。

「…咲音…」

のろのろと顔を上げて、目を覗き込む。

「……早く…欲しいから…」

どう言えばいいのか分からない…けれども、ただ…早く相手を感じたくて。何時もは痛いと感じることも多いSEXだが、それでもいいから、今は圧迫感とも似た満足感を、得たくて仕方がなかった。

「……!」

なぁ、と押しつけられる目頭を感じる首もとが、熱い。普段、光流に誘われたことすらなかった咲音は、どう反応して良いのか分からなくて、相手を探っていた手が止まってしまっていた。しかし、すぐに我に返ると、ゆっくりと指を引いた。

「腰、ゆっくりと下ろして…支えててあげるから」

「ん」

頷いて、咲音の腕に導かれるまま、相手に座るようにして腰を落としていく。……すぐに、何かに触れて一瞬腰が引けるが、咲音の手によってあっさりと戻された。光流の中途半端に緩められた入り口に、先ほど触れた咲音のペニスが当たる。

「……あ…」

咲音の指が、入り口を広げるようにして、先端を含ませようとしているのが分かって、ハッと顔を上げるが、今更だった。ちゅ、と鼻先にキスをされて…まるであやされているようだ。ゆっくりゆっくりと、時間をかけて咲音の熱を、体内へ受け入れていく。何時も以上の圧迫感…そして、身体がきしむようにして辛いのに満ち足りていくような…そんな感覚。腰からは、痛みと一緒に、熱も広がっていった。

「……く…はぁ」

受け入れるので、精一杯だ。入り口がぎちぎちとキツく、それを緩めようと、ゆっくりと呼吸を繰り返す。咲音も、中が馴染んで動けるようになるのを、ゆっくりと待ってくれているようだった。背中を抱いてくれている腕が、時折上下して優しく撫でてくれる。

「咲音…」

「大丈夫?」

「ん」

「腰を支えててあげるから…動いてごらん」

首を縦に振って頷くと、促されるまま、ゆっくりと腰を持ち上げた。それと一緒に、咲音が腰を僅かに引いてくれるのが分かる。ずっと中で動くのが分かって、ぞくりと肌が粟立つ。

「…な、っんか、すげぇ…感じる……どうしよ」

「……っ! 光流…」

「えっ? う、あぁっ…待てっ…」

どうしていいか分からなくて、首にしがみついただけだったはずなのに、気が付いたらもう、咲音に揺らされるようにして、腰を持ち上げられていた。急に動かれて付いていけない光流は、焦って咲音に抱きつく腕を強めたが、あまり意味はなかった。

「…ひっ…あぁあっ…」

引きずられるようにして、性器が出ていくと、後は体重を借りるようにして出ていった物が、凶器のように奥めがけて穿ってきた。これが続くのだとしたら、たまらない。女性のように、受け入れやすい柔らかい臓器でもなければ、入り口と角度を考えると…そう楽な体勢ではないのだ。

まるで、辛いのに強制的に熱を高められていくようだった。激しい動きに、否応なく身体は熱くなり…相手との間で揺れているペニスは、先ほどからお互いの腹に触れて、じわりと透明な液を零し始めている。

「光流…この体位、初めてだね」

「ん、う…咲音…っ」

「中、すごく気持ちいいよ…熱くて、絡みついてきて…」

「ぁ…キツ…ぃ…咲音っ…」

咲音が一方的に話しかけて、会話が成立していないのはいつものことだが、今日は光流が何時も以上に熱に浮かされていた。咲音に流されるようにして、SMっぽいSEXがいつものことだったし、光流が素直に流されないから無理矢理なことも多かった。……だが、今日は違う。光流が誘って、咲音もごく普通に光流を抱いて…そして光流は何時も以上に敏感に咲音を感じていた。

こんなにも自分は相手が好きだったのだと言うことを認識して、それが光流に影響を与えていた。好きだという気持ちが、こんなにSEXに影響するものなのだと言うことを…光流は今まで知らなかった。

「咲音…駄目、だっ…んう、ぅ…っ」

こんなにも気持ちよくて、高まる熱と激しい動きに押し上げられて…けれど、それ以上に染み渡るようにして気持ちが満たされていく。いつもは早く達したいと願うのに、まだこの快楽の波の中へ浸っていたくて、熱を散らすように首にしがみつく。その間も、腰を掴んだ咲音の腕が、光流の身体を持ち上げている…いつの間にか光流の身体がそれを手伝うように、自ら揺れていたことは、本人以外しか知らないことだが。

「ふふ、光流…ここが好きなんだね」

自らの意志でもって揺らめく腰を、支えて…導いて…そして動かしている腕が、小さく笑う。自分の最も感じるような場所へ、光流自身が動こうとしている。そのことを、本人が分かっていないのを咲音は知っているのだ。

「咲音っ…咲音ぉ……っは、ぁあ――」

「光流…ほぅら、イっちゃいなよ…」

「ぅあ、あ…――っ!!」

咲音の手が光流の性器に絡まり…詰まるような、それでいて高いような声を引き出す。そして、光流は自分の中に相手の物が広がるのを感じた。



深夜が近いことを知らせる、静かな空間の中に、咲音が寝室へ入ってくる気配がする。差し出されるカップを受け取ると、ふんわりと紅茶の香りが上った。鼻先をくすぐる良い香りに、目元を緩め、

「サンキュ。…アッサムか」

「たまにはストレートでね」

ベッドの中に居る光流の横に咲音は腰掛けると、手の中のカップの湯気をふっと吹いた。薄暗い中に、白がさっと散っていく。途中、光流のカップから上るものと一瞬だけ混じって消えていった。

二人ともシャワー上がりで、髪が長めの光流の裸の肩には、髪から滴った水滴が二筋流れている。咲音は下にズボンだけはいて肩に掛けたタオルが髪の水気を受けていた。毛布の中にいる光流が、もぞもぞと咲音の肩に肌を触れさせる。

光流は、絶対、顔が赤くなっている自信があった。今までに、こんな自分から肌を触れさせたことなんて、殆どなかったのだから。常に、触れられるのを待っていたのだから。咲音がじっと見てきているのが分かる。…きっと、吃驚したような嬉しいような顔をしているに違いないのだ。誤魔化さなくては…慌ててカップに口を付けるように顔をうつむかせると、咲音が何か言う前に、

「…パウンドケーキが食いたい」

「……。…ふふ、持ってくるよ」

咲音は笑って、光流の表情については何も言及せずに、冷たい髪に口付けると、光流の我が儘をか叶えるために立っていった。

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後書きもどき。

出だしだけふっと思いついて書き始めたら、こんだけ長くなりました。……。書きだした当初(10月の上旬に書き始めたはず)は、こんな展開になるはずではなかったのですが。茶会編だけで終わるはずだったのですが。エロも無かったはずなのですが。だらだらと4ヶ月も手直しするうちに…こんなことに…まぁいいか。それもありか。。。

タイトルは、茶会編だけで終了の時点で、夜の茶会にパウンドケーキという長いタイトルが付きました。お菓子大好きです。洋菓子も好きですが、和菓子も結構好きです。ただ、餡だけで構成されている和菓子は苦手です(ぜんざいとか)。そのうち、咲音に桜餅でも作らせて、春限定小説とかやってみたいなぁ…とか。思ってます。

……思ってるだけですが。

咲音が作るお菓子は、オイラが作ることが出来るお菓子を出してるので、そのうちレシピもUPしようかなーと、ちょっとだけ考えています。レモンスクエア(←バレンタイン限定に出てきた)は美味しいですよ。パウンドケーキはかなり美味しいですよ(オイラの腕が良いわけではなく、レシピが良いのです)。

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